「たけのこって体にいいの?」という方もいるのではないでしょうか。
春が旬のたけのこは、低カロリーでヘルシーな野菜です。
また、この時期の体に必要な栄養素が多く含まれています。
今回ご紹介するのは、たけのこの栄養と効能、下処理方法などです。
今が旬のたけのこを食べて、健康や美容の効果を手に入れましょう。
たけのこってどんな植物?
春の野菜の「たけのこ」とは、竹の若芽のことをいいます。
竹の種類はとても多く、食用にされるのは代表的な孟宗竹を含めて数種類です。
竹はとても成長が早い植物で、見逃すとあっという間に大きく育ってしまいます。
そんな竹の、土から出てくる直前の若い芽を掘り上げて収穫したものがたけのこです。
たけのこと言えば、煮物や炊き込みご飯が人気のメニューですよね。
春にだけ出回る生のたけのこで作ると、より一層、旨味や歯ごたえを楽しめますよ。
たけのこの下処理は簡単なので、後ほどご紹介する方法でぜひ試してみてくださいね。
たけのこに多い栄養成分
旬の時期の新鮮なたけのこは、低カロリーながらも栄養が豊富に含まれています。
たけのこの代表的な栄養素として挙げられるのは、カリウム、食物繊維、アミノ酸です。
これらの成分にはデトックス効果があり、体内の老廃物を排出して体を整える働きをします。
たけのこを含む春の食材にはこの時期に必要な栄養が多く含まれるので、積極的に摂りたいですね。
ここでは、たけのこに含まれる代表的な栄養素3つを、深く掘り下げて解説していきます。
カリウム
野菜の中でも、たけのこは特にカリウムを多く含みます。
カリウムには細胞の浸透圧の維持や水分保持をする役目があり、欠かすことのできないミネラルです。
カリウムには体内の余分な水分やナトリウムを排出する働きがあり、むくみ改善の効果があります。
また、過剰な塩分の吸収を抑制して血圧を安定させるので、高血圧や生活習慣病の予防にも有効です。
そして、カリウムは筋肉の収縮を正常に保ち、神経伝達をスムーズにする役割もあります。
しっかりと処理すればカリウム値はグッと下がるので、高カリウムが気になる方・腎臓病の方は水煮たけのこをご利用ください。
食物繊維
たけのこは食物繊維が豊富で、特に不溶性食物繊維を多く含みます。
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、不溶性食物繊維は腸を活性化させる栄養素です。
不溶性食物繊維は腸内で水分を含んで膨らみ、腸を刺激することで蠕動運動を活発にさせます。
腸の働きが活性化すると便通がスムーズになるので、便秘解消に効果的です。
また、腸内の有害なものも取り込みながら排出するので、病気の予防にもなりますよ。
アミノ酸
たけのこには、旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれています。
アミノ酸はタンパク質を構成する物質で、私たちの体を作り、維持するために必要な栄養素です。
たけのこに含まれるアミノ酸には、チロシンやアスパラギン酸などがあります。
茹でたたけのこの中心に見える白い粒がチロシンで、集中力を高めたり自律神経を整える栄養素です。
そして、アスパラギン酸は体内のアンモニアを排出する働きがあり、利尿作用のある物質です。
さらにエネルギー源としても利用されやすく、疲労回復効果や新陳代謝を促す作用もあります。
水煮たけのこは栄養がない?
下処理のいらない水煮たけのこは、手軽に使える食材です。
生のたけのこと水煮たけのこでは、加熱処理している分、栄養価が違ってきます。
しかし、たけのこはアク抜き処理が必要なため、生のままでは食べられない野菜です。
水煮たけのこは生のたけのこを下処理したものなので、食べる時の栄養価はさほど変わりません。
むしろ、しっかりとアク抜きされているので、簡単に使えてとても便利な食材です。
年中スーパーなどで入手可能な水煮たけのこも、どんどん活用していきましょう。
たけのこ/若茎/生 | たけのこ/水煮缶詰 | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 27 | 22 |
タンパク質(g) | 3.6 | 2.7 |
脂質(g) | 0.2 | 0.2 |
炭水化物(g) | 4.3 | 4.0 |
食塩相当量(g) | 0 | 0 |
カリウム(mg) | 520 | 77 |
不溶性食物繊維(g) | 2.5 | 1.8 |
たけのこの効能
たけのこが持つ栄養成分には、デトックス効果があります。
春は疲れやすかったり、なぜか眠たさが続いたりと、不調の出やすい時期ですよね。
それは、冬の間に体内に溜まってしまった老廃物が引き起こしている症状でもあります。
この時期の不調を改善するには、春の食材を食べることで体を解毒するデトックスが有効です。
旬のたけのこにも、体内の毒素を排出する作用がある栄養素が豊富に含まれていますよ。
どんな料理でも楽しめるたけのこを食べて、体を活性化させていきましょう。
ここからは、たけのこを食べて期待できる健康効果をご紹介していきます。
むくみ解消
たけのこに含まれるカリウムやアスパラギン酸には、むくみ解消効果があります。
むくみは女性に多い症状で、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足などが主な原因です。
特に、塩分の多い食事によって過剰なナトリウムが体内に溜まることで引き起こされやすくなります。
カリウムが持つ、余分なナトリウムを排出し水分バランスを整える作用が、むくみに効果的です。
また、アスパラギン酸には体内で作られるアンモニアを、尿と一緒に排泄する働きがあります。
むくみを解消すると血液やリンパの流れが良くなり、肩こりや冷え性なども改善されますよ。
便通改善
たけのこには不溶性食物繊維が豊富に含まれていて、便秘解消が期待できます。
便秘が続くとお腹が苦しかったり、肌トラブルが出てきたりと、不快なことが起こりますよね。
便秘は、腸内環境の乱れが引き起こした「機能性便秘」であることが多いです。
たけのこに含まれている不溶性食物繊維には、腸の働きを活性化させる働きがあります。
また、コレステロールの吸収を抑えたり、栄養吸収を緩やかにするため、生活習慣病予防にも効果的です。
便通改善で腸内環境を整えると、健康や美容にいい多くのメリットがありますよ。
美容効果
たけのこを食べると、美容に嬉しい効果もたくさん得られます。
たけのこは、多くの種類のビタミンやミネラルが含まれている野菜です。
ビタミンB1は、糖質を分解してエネルギーに変え、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
また美肌を作るビタミンB2は、エネルギー代謝を助けるため、ダイエットにもおすすめです。
そして、強い抗酸化作用を持つビタミンEも含まれるため、アンチエイジングの期待もできます。
同じく抗酸化作用を持つ亜鉛には、新陳代謝を促す働きもあり、肌や髪のターンオーバーにも効果的です。
さらに、チロシンはメラニンを生成するため、黒髪の維持や白髪の予防にもなりますよ。
たけのこの下処理
たけのこは、収穫してから時間が経つごとにアクが強くなってきます。
生のたけのこが手に入ったら、すぐに下処理を行いましょう。
たけのこは、皮に切れ目を入れてそのまま丸ごと茹でて下処理します。
たけのこが丸ごと入る鍋がない場合は、縦に切って茹でるといいでしょう。
たけのこ1本の場合は、米ぬか1つかみと唐辛子1本を使います。
米ぬかがない場合は、米のとぎ汁を使ったり、生米ひとつかみで代用できるよ
- 大きな鍋にたけのこと米ぬか、唐辛子を入れ、たっぷりと水を入れて火にかけます。
たけのこの強いアクを抜くには、1時間ほどかけてじっくりと茹でるのがポイントです。 - 沸騰したら弱火でフツフツとさせ、固い根元部分にスッと竹串が通るまで茹でます。
たけのこが浮いてこないように落とし蓋をし、水が減ったら足してください。 - しっかりと火が通ったのを確認したら、そのままゆっくりと冷まして1晩おきます。
冷める段階でアクが抜けていくので、翌日には調理に使える状態です。 - 下処理後は水に漬けて冷蔵庫で保管し、毎日水を替えながら3~4日で使い切りましょう。
食べすぎには注意
体にいいからと言って、たけのこばかりを大量に食べ続けるのは良くありません。
たけのこは食べ過ぎると体に不調が出てくることもある、もともとアクの強い野菜です。
食物繊維を摂りすぎると便秘や下痢になり、チロシンの大量摂取は肌荒れやシミ・ソバカスの原因にもなります。
また、口の中がイガイガしたりなどの軽いアレルギー症状が出ることもあるでしょう。
しかし、たけのこづくしが体に悪いというわけではなく、通常の量であれば問題はありません。
「大量に食べ続けること」が良くない、という極端な例の話なのです。
どんなものでも食べ過ぎて栄養が偏るのは体に良くないので、適度な量を楽しみましょうね。
まとめ
たけのこは春の食材として代表的な、人気の野菜です。
旬のたけのこには、この時期に体が必要とする栄養素が豊富に含まれています。
また、健康や美容に嬉しい効能がたくさんあり、積極的に摂りたい食材です。
歯ごたえと甘みがあるたけのこは、色々な調理法で使いやすい食材ですよね。
素材の味を活かしたシンプルなものから、こってりとした味付けまで、どんな料理にもよく合います。
水煮たけのこは年中どこでも買えますが、生のたけのこは旬の時期にしか手に入りません。
手間がかかりそうなイメージの下処理は、ご家庭でも意外と簡単にできてしまいます。
生のたけのこを見つけた時には、ぜひ下処理にも挑戦して、色々な料理で楽しんで下さいね。